食べられる蜂の子の種類

一口に蜂の子といっても、様々な種類の蜂の子があります。
そこで、今回は食べることのできる蜂の子の種類について解説していきます。

ミツバチ

ミツバチというと、はちみつのイメージが強いかもしれませんが、蜂の子も食べられています。
ミツバチは、主に養蜂されたものが食用されます。
その中でも、交尾以外の仕事を行わず、はちみつを消費するだけの雄蜂が蜂の子として捕獲されるのです。
雄の蜂の子は、巣箱の中で一定数計画的に育てられ、さなぎになると捕獲されます。

また、ミツバチの蜂の子は、そのまま料理されることもありますが、サプリメントに加工後摂取されたり、缶詰や瓶詰に入ったものが食されたりすることが多いです。

スズメバチ

養蜂されているミツバチとは異なり、スズメバチの蜂の子は野生のものをそのまま捕獲します。
スズメバチには多くの種類がありますが、中でもクロスズメバチやオオスズメバチ、キイロスズメバチは日本各地で食べられる習慣があるため、例として紹介します。

クロスズメバチ

クロスズメバチの蜂の子は、中部地方などを中心に日本全国で食べられています。
クロスズメバチは「ヘボ、ジバチ」など各地で様々な呼び名があり、他の種類と比べても、蜂の子がよく食べられている蜂です。
全身が黒く、白い縞模様のあるクロスズメバチは、よく地中に巣を作ります。
特に長野の南信地方や岐阜の東濃地方では、クロスズメバチの蜂の子の食用が盛んで、煮付けたり混ぜご飯にしたりするなど、料理の素材として好まれています。

オオスズメバチ

オオスズメバチの蜂の子を食用とする習慣があるのは、中部地方や九州地方です。
日本最大のスズメバチであるオオスズメバチは、攻撃性が高く捕獲する際に危険を伴うことから、貴重な食材であると考えられています。
捕獲された蜂の子は煮付けや混ぜご飯として調理されるほか、蜂焼酎の原料としても重宝されます。

キイロスズメバチ

キイロスズメバチはオオスズメバチと比べると小型なスズメバチで、自然豊かな場所の他、近年では都市部でも営巣することが注目されています。
攻撃性が高いことや、巣の規模が大きいことが特徴で、大きな巣になると5000以上の幼虫やさなぎの部屋があります。
そのため、キイロスズメバチは一回の捕獲で多くの蜂の子を得られることが期待できるのです。

その他の種類

アシナガバチ

アシナガバチも日本のあらゆるところでみられる蜂です。
軒先や生け垣など、人間の生活圏にも営巣することがあります。
アシナガバチの蜂の子は手軽に入手することができ、そのまま食べたり焼いて食べたりします。
一方で、スズメバチと比べると巣の規模が大きくないため、一度に入手できる蜂の子は少なく、身の大きさも小さいです。

蜂は夏から秋口にかけてよく見かける昆虫ですが、蜂の子は栄養豊富な食資源として今でも食べ続けられています。
また、蜂の子の種類によっては人間との関わり方に微妙な差異があります。